初めまして。SKG整体セラピスト学院学院長・高木と申します。
本学院は、『明るく、楽しく、まじめに』をモットーに、技術同様『人間力』を伸ばすことに注力しております。整体師として働くためには、技術以外に重要なことがあるのです。
ここからは、学院長である自分の略歴、現代の整体師事情、整体師の将来性、独立開業について等、いま整体師を目指す皆様に知っていただきたいことをお話しいたします。どうぞ、最後までお付き合いください。
私は20年前、整体院を独立開業しました。この整体院は、今でも本校直営店として多くのお客様にご愛顧いただいております。
さて、開業時のスタッフは4人。開業の準備は非常に忙しく、また楽しいものでした。結婚して子供を授かった時期でもあり、「よし頑張るぞ」と意気込んでいました。ありがたくも開院1か月目から黒字となりましたが、人気不人気のスタッフがはっきりしてきたのもこの時期です。
その原因は、私が開業準備で忙しく、従業員の技術指導時間が足りていなかったからです。そこですぐにスタッフを増員し、技術指導ができる時間的余裕を確保しました。それが功を奏し、スタッフの技術を伸ばすことができたため、技術不足による人気の偏りはなくなりました。
その時に「師匠の言っていたことは正しかったなあ」としみじみ思ったものです。実は開業前、整体講師をやらないかと、師匠から誘いを受けていました。そのときは、独立開業を目指していたため一度お断りしたのです。ところが、師匠は強くおっしゃいました。
「君は一家の主だな。そして、治療院のスタッフも家族がいるんだ。君が、自分の家族とスタッフの家族全員を養うことができなければ、院長として失格と言えるだろう。だから教える技術がないと総倒れしかねない。……ともあれ、君を支えてくれるスタッフを大事にしなさい」
師匠とのこのご縁で、自分は大切なことを学びました。
私は、独立開業のために努力はしてきました。しかし、少々努力の方向性を間違っていた部分がありました。重要なのは正しく努力することだったのです。これは、整体師を目指す方にはとても重要なことです。
特に、整体師としての技術を身につけたいと思っているとき、『努力の方法を的確に学ぶこと』が本物の技術の習得に役立つでしょう。
現在、委託契約の整体サロンやリラクゼーションサロンはよく見かけると思います。都心にも数多く展開していますし、未経験の方の募集もしています。「未経験可なら、学校なんていかなくてもいいんじゃないか」
そう思って就職してしまって苦労される方は枚挙に暇がありません。そういうところでは、教育担当に数日教えてもらっただけで、現場で働くわけです。それでは、なかなかお客様からの指名は取れません。この手のサロンは委託契約なので、働いた分のXX%が収入という形になります。当然ながら、指名がないと収入が上がりません。要は、場所を借りての個人事業主ということです。ご家族がいる方なら特に責任も重たく、プレッシャーも大きいと思います。
委託契約(個人事業主)である場合、「自分を宣伝する」必要があります。これが、なかなか難しいのです。そしてもちろん、宣伝は技術があることが前提です。当学院では、技術はもちろん、どのように広報すればいいかという広報戦略も惜しみなく教えております。
「ライバルが増えてしまうのでは?」
こういう心配をされる方もいらっしゃいますが、考え方の問題です。お客様の多い賑わっているお店には人が集まります。その恩恵は『お互い様』なのです。お客様が集まっているところに自分の存在を伝えることができますし、あなたがサロンで人気が上がれば、オーナー様も大変喜ぶでしょう。同じお店の同僚も、人気店で働いている仲間ということになります。
サロンがスタッフを宣伝してくれるでしょうが、それだけに頼らず自分自身の広報にも同時に力を入れていきましょう。SNSや動画を使って自分を売り込んでいくことも大切です。
今や政治の世界でもインターネット戦略の勉強会があるほどです。自分自身が個人事業主という自覚を持ち、個性と技術の売り込みを頑張っていただきたいと思います。
柔道整復師や指圧マッサージ師などの国家資格を取る方も多数います。
このような国家資格の専門学校では、国家試験に合格する為の勉強を教わります。学校の運営上、試験の合格率が重要なのです。合格率が高ければ、次年度の生徒募集のときに多くの新入生が見込めるからです。そして、残念ながら試験合格のための授業と、現場で活躍できる手技の授業は違います。技術を磨く授業が少ない為に、即戦力になることは難しくなります。
ただ、国家資格者は大変な勉強をしてきた卒業生です。人体構造を理解している分、一般の方と比べますと、現場で使える技術をとても早く習得されるでしょう。
このように、当スクールは国家資格を受験するための学校ではありませんが、現場で使える技術を実践と共に教えていきます。将来就職される際の面接では、人事担当が技術確認を行います。そこで、当スクールで習得された技術が本領を発揮し、採用という結果に結び付くと考えております。
整体やマッサージは肉体労働です。指の負担が多く、施術を続けると、指の変形、爪の変形、関節炎、腱鞘炎、さまざまな症状が出ます。指をケアする、その方法とタイミングを学ぶことは、この業界で長年従事していく中で重要な項目です。
ところが、授業期間が決められている専門学校ですと、半年~3年間という期間限定で勉強や修行を行います。その途中で、指や身体を痛めてしまったらどうなるでしょうか?
高い授業料を払っても途中で辞めなければならない人も出てきます。さらに、就職した後に、自らが身体を壊して退職する人も多いのです。専門学校を卒業された5年後の就業率は5%に満たないとも言われています。同じ業界にいる者として、この現状を本当に残念に思っております。
指導を受けている最中に指を痛めてしまったら、急性期は休ませるしか方法はありません。そのため、専門学校などでは授業に追いつけないパターンが出てくるのです。
当校はそんなとき、指導を続けるよりも、炎症が治まった頃合いに受講し、効率の良い方法で大切な指のケアをしていただきたいと考えています。そうすることで、少しずつ少しずつ指が強くなっていき、長時間でも施術に耐えられるのです。
長く業界で働ける指を、一緒に作っていきましょう。
最近は、盛んにAI(人工知能)の活用が叫ばれています。定型化された単純作業は、機械が行うようになるのは時間の問題です。ところが、定型化が難しい我々の職種(整体師、柔道整復師、指圧マッサージ師、理学療法士)は、今後の需要はさらに加速すると思います。
また症状改善を主体に営む整体院は、独自化により、さらに需要が伸びると推察します。リラクゼーションサロンは、好景気の時は集客力があるのですが、今後の人口減を考えると、少々心許ないのです。
整体院のお客様は、実は高齢者ではなく、20代から60代までの現役世代が主体となります。つまり、整体セラピストは、高齢社会の恩恵は受けられないでしょう。ただ、デフレから脱却すれば、ターゲットである20代から60代までの世代は、社会保障の恩恵と余裕資金で、整体院に足を運ぶはずです。そのため、整体単価も上がると予測します。
現在多く見かける2980円のリラクゼーションサロンは、マッサージ人口を増やしてくれている側面もあると思っています。リラクのお客様と整体院の患者様の、通う先の選択は、自然と振り分けられるでしょう。リラクのお客様も、本当につらくなれば治療系に来院しますし、整体院・整骨院の患者様は身体が治ってくれば、癒しを求めてリラク店に来店すると思います。つまり、お互いにフォローし合う関係を築いています。
また、西洋医学では医療や薬剤開発が進み、平均寿命100才という時代も近い将来訪れるでしょう。その中間世代の方々が高齢者になった時は、IPS細胞やゲノム医療、新薬開発で凝らない筋肉にすることも可能になると考えます。今でこそフィクションのように感じるかもしれませんが、医療は日進月歩です。そんな時代がきたら、症状改善の整体院より、人の手で癒してくれるリラクゼーションサロンが人気になるだろうな、と思います。
さて、近年、肉体労働である我々の業種は、若い世代から敬遠され、求人を掲載しても中々決まらないことが多くなってきました。かつ、今後AIを使いこなすための知識労働が重視される傾向にあります。
となると、人口減により整体セラピストのターゲット層は少なくなりますが、この業界の従事者も減るため、手を介した職業は希少となり料金体系や給与も高くなると考えます。
この「経営」の面について、もう少し踏み込んで予測してみましょう。
今後、柔道整復師の整骨院経営は、高技術を確立し、自由診療を取り入れないと難しくなると思います。健康保険組合の赤字などが原因で保険診療の絞めつけはさらに厳しくなること、柔道整復師の専門学校過多でライバル院が多く存在すること、ライバル院と併用通院があると保険診療の二重請求はできませんので、無償で働く部分がある整骨院も増えると思います。
反対に、国家資格を取得しても、その資格は使わず、民間の整体院を開業する柔道整復師も増えています。これは、良い選択なのではないかと私は思っています。本来であれば整骨院は「捻挫・打撲・挫傷・骨折や脱臼の後療」といった診療に限られますので、表向きは慢性疾患や自由診療ができません。こっそりやっている整骨院も多いのです。ですが、敢えて整骨院をやめ、整体院を開業する柔道整復師は、整体技術に自信があるからでしょう。
こういった先生は、資格を捨てるのではなく、最大に活かす方向にシフトした、とても勇気のいることで称賛に値する行動力だと私は思います。
2020年、コロナ禍の影響で在宅ワークが増え、自宅でお仕事をする方が多くなりました。今までサービス業には不向きの地域(ベッドタウン)などが、今後は開業先として注目される地域になるかもしれません。仕事の帰り道に都心でマッサージを受けられていた方が、テレワークとなり、平日の日中に来院することも珍しくない時が来ると思います。
そして、不景気になると「手に職志向」になります。このコロナ禍の2020年というのは、絶好のチャンスと思います。不景気は今後も進み、最も影響がでるのはこれからです。今がまさにその準備期間です。技術を身に着けることは、自身の健康さえ保てれば、生涯現役でいられる財産になるでしょう。
ともあれ、自信をもって言えることは、整体は『不景気に強い』ことです。
そもそも、酷い肩こりや腰痛は耐え難い症状を伴います。経験者は特に分かると思いますが、皆さん『楽になりたい』のです。整体院は好景気でも不景気でも、患者様がお金を落とす優先順位が変わらない、需要の高い業種なのです。
このようなことは公にすることではないのかもしれませんが、重要なことです
さて、当学院は技術や精神を教えますが、就職した後もまた、学びの連続です。お客様や患者様は、施術を受けるプロです。手を抜けば「この先生、さぼっているな」と言うことは、すぐに察します。患者様は沢山の整体院を回っています。その中で、自分に合う整体院を選んでいます。
もし自分の治療院が選ばれなければ、何が足りなかったのか考え、その努力の方法を的確に学び、実行していきましょう。つまり、お客様や患者様は、講師であり先生でもあるのです。
もしお客様が定着しなかったら? もちろん改善点を考えなければなりません。ここであってはならないのは「こだわり」です。自分のやり方はこうだから……自分の「こだわり」を分かってくれなかった客が悪い……。そんな風に考えているようでは、お客様は再来されないでしょう。
整体に携わる人たちは、それぞれお互いに「資格や客層が違う」と思っていることが多いです。国家資格の柔道整復師や指圧マッサージ師、理学療法士、また民間資格の整体師やセラピスト、資格も業種によって一線が引かれています。「考え方が違う」などとも言いますね。
けれど私は、その一線は必要ないと思っています。共に学び、共に助け合うことが大事なのであって、勝ち組負け組と線引きすることは、とてもナンセンスです。現代社会において社会保障が充実している日本に生まれたことがすでに勝ち組でしょう。そういうわけで、当スクールはそのような区別を設けておりません。
民間資格をお持ちの方や国家資格をお持ちの方で、手技の向上を目指したい方にも、当スクールにお越しいただきたいと思っております。
最後までお読みいただきありがとうございます。ここまで私の紹介文を読んでくださった方は、忍耐力があり、この業界に向いている方だと思います。当スクールにて受講したいと思った方は、下記お問合せフォームより、ご希望をお伝えください。
どのような技術職にも言えることですが、最短で質の高い技術を身につけるには、マンツーマン指導が非常に有効です。私も沢山の遠回りをしてきましたが、良いところだけをピンポイントで取り込んだ指導法を確立できました。現代の社会に合わせたオーダーメイドの技術取得をしていただきたいと思います。
さて、今回ご縁がない方にも、ひとつだけ【学校選び】についてのアドバイスがあります。それは現場の経験が豊富な講師がいる学校を選択することです。当然ですが専門学校の講師は「生徒に教える仕事」です。その中には、現場が苦手だから専門学校の講師につく方もいます。
もちろん、卒業して関係治療院でインターンを少しやり学長より講師に抜擢されることは、とてもとても名誉なことです。ただ、現場の経験が少ないと、臨床も得ていないことでも何でも教えてしまうことがあるのです。
西洋医学では安全を期すために臨床研究や治験などがあります。しかし、この業界は民間資格で、誰でも明日から講師にもなれますし、整体の先生にもなれます。施術事故もありえます。しかしそれは、『判断は情報の蓄積なり』をしっかり厳守すれば危機管理できるのです。
話が逸れましたが、ある意味、民間の専門学校は何でも教えて良いのです。その内容を疑問に思う方もいるでしょう。どうしてそうなるか、答えは『患者様やお客様』ではないからです。
でも、経験の少ない講師に教わったことを現場で行うと、施術事故の確率は数段上がります。私が巡り合った教科書や参考書の中には、本を売る為に過剰な表現をしているものも多く、これを鵜呑みにしたら大変なことが起こり得ると思いました。
学校選び、先生選びは、あなたの人生経験に基づき、慎重に決めてください。
私は、人生数々の経験をし『最高の喜び・悲しみ』……自分が「生かされている」ことに気がつきました。そのような思いからここで発信させていただきました。そして、皆様にとって有益と思うことを最優先して、幸が訪れますことを心より願っております。
学院長 高木伸幸 学院長略歴はこちら➡
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